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大規模災害に備えて 「東日本大震災・いわき市復興のあゆみ2013」記録誌及びDVD(平成26年3月11日発行) | いわき市役所

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−34− −35− 7 大規模災害に備えて

イ 応急仮設住宅から復興公営住宅へ

 応急仮設住宅(建設主体=福島県)は、市内で津波被害を受けた沿岸地域に住む住民のためだけでなく、 東京電力㈱福島第一原子力発電所の事故によって、双葉郡からいわき市へ避難した多くの住民(広野町、楢 葉町、大熊町、富岡町、双葉町、川内村の5町1村)のために、相次いで市内各所に建設されましたが、早 期に避難者が安心して生活できる環境づくりのため、平成25(2013)年11月には、県営による復興公営住宅 の起工式が現地の小名浜地区で行われており、ほかにも常磐地区で工事が始まっています。

ウ 町外コミュニティの協議

 居住を制限された双葉町村などからは多くの住民 が避難し、市内への避難者数は平成23(2011)年11 月には2万人を超え、現在は約2万3,000人が居住し ています。

 このように、多くの避難者を受け入れていること から、市は国に対し避難者の受け入れ側としての特 殊な状況を考慮するよう、要請しました。

 このうち、財政支援については、避難者1人当た りの標準的な受け入れ経費として、標準的な行政経 費を積み重ねた単価が年間約4万2,000円と算定さ れ、避難者数に応じて国からの特別交付税を得るこ ととなりました。

 また、長期避難者などの生活拠点として整備する

「町外コミュニティ」については、浪江、双葉、大熊、 富岡の4町が「いわき市」を対象に希望しています。

(写真6-18、19)

 具体的な町外コミュニティのあり方については、 受入自治体の事情に応じた生活拠点の確保・整備に ついて検討する「長期避難者等の生活拠点の検討の ための個別協議」(国・県・避難元4町・本市)や 避難者と周辺住民との交流の場の確保・心のケアな どを検討する「コミュニティ研究会」(国、県、避 難元自治体など)などにおいて協議を進めています。

② 双葉郡町村との共生を模索して

ア 双葉郡の町出先機関がいわき市に設置

 福島第一原子力発電所の事故により、法的に居住できない区域などを持つ双葉郡内の5つ町では、多くの 住民がいわき市内に建設された応急仮設住宅や民間借上げ住宅などに入居していることから、市内の各所に 役場の支所や出張所などを設けて町民の便宜を図っています。

7 大規模災害に備えて

⑴  原子力災害の備え

① 1.市地域防災計画(原子力災害対策編)の策定とガイドブックの配布

 市は、平成25(2013)年3月、市防災会議において「市地域防災計画(原子力災害対策編【暫定版】)」およ び「原子力災害避難計画【暫定版】」を策定し、県に報告しました。

■写真6-18 清水新市長が、双葉8町村の首長と初めての会談を開催  〔平成25(2013)年10月7日 いわき市撮影〕

■写真6-19 いわき駅南口広場前で行われた「いわき光のさくらまつ  り」点灯式(いわき、南双葉、浪江の青年会議所が主催) 〔平成25  (2013)年12月 いわき市撮影〕

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7 大規模災害に備えて

② 本市初の原子力防災訓練の実施

 市は、地域防災計画(原子力災害対策編)に基 づき、平成25(2013)年8月、本市初の取組みとして、 久之浜・大久地区において、福島第二原発の単独災 害を想定した図上訓練を実施しました。(写真7-1)  訓練においては、地域における情報伝達のあり方 や、災害時要援護者の避難に係る役割を確認するな ど、市民の防災意識の醸成を図る契機となりました。

 福島第一原子力発電所の事故当時の経過を踏まえ、国や県は原子力施策の見直しを図り、このうち県地域 防災計画では、平成24(2012)年11月にいわき市が「緊急時防護措置を準備する区域(UPZ=一般的に原発 からおおむね30km)」に指定されるなど、本市も法定期日の平成25年3月18日までに地域防災計画(原子力 災害対策編)を策定することとなりました。

 しかし、計画の基となる国の専門的・技術的事項を定め た「原子力災害対策課指針」は、流動的な部分が多い状況 であり、多くの自治体では平成25年度以降に策定としてい ましたが、本市は原発立地町に近い被災自治体として、有 事の際の初動体制および避難計画を早急に構築する必要が あることから、国の指針から反映できるものは取り入れ、 この時点では、福島第二原発の単独災害を想定した暫定版 として策定したものです。(図7-1)

 また、市民の皆様には、日ごろからの備えとして、その ポイントを分かりやすく取りまとめた「原子力災害対応ガ イドブック」を全戸配布しました。(図7-2)

③ 福島第一原発の汚染水問題をはじめとしたトラブル等への対応

 平成25(2013)年は、福島第一原発の停電に伴う冷却システムの停止や、未だ収束の目途が立っていない汚 染水問題などのトラ

ブルが続き、そのよ う な 中 で11月 に 始 まった4号機燃料取 出しなどに対し、多 くの市民の皆様が不 安を抱いている状況 を踏まえ、11月19日、 市長が現地を視察し ました。(図7-2)  現場では、厳しい 環境を目の当たりに

し、そうした状況が、人為的ミスに繋がりかねないとの懸念を抱くと同時に、今後30年とも40年とも言われ る廃炉工程において、現場作業員の長期的・安定的な確保及び労働環境の改善を進めることが不可欠である との思いを改めて強くし、翌20日には、東京電力㈱本店を訪問し、廣瀬社長に対し、福島県内全ての原子力 発電所の廃炉方針の決定、福島第一原発に係る汚染水漏えいの再発防止対策の早期実施や4号機燃料取り出 しにおける確実な安全対策に加え、現場作業員の人為的ミスを未然に防止するための適正な労働環境の確保 などについて、強く申し入れを行いました。(図7-3)

■写真7-1 久之浜中学校で行われた原子力防災訓練

■図7-1 避難計画における区

 域設定 ■図7-2 原子力災害対  応ガイドブック

■写真7-2 福島第一原子力発電所4号機建屋内

 部の視察 ■写真7-3 東京電力㈱本店を訪問し、廣瀬社長に申し入れ

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⑵  21 世紀の森公園内に災害時拠点施設を整備

① 広域的な防災拠点としての機能向上を

 市は、21世紀の森公園内に、新たに救援物資の集積・分配機能を担う災害時拠点施設を整備し、平成 28(2016)年度中の供用開始をめざします。

 市ではこれまで支援物資を一括管理する施設がなかったため、特に震災の教訓として大量の支援物資を効 率良く行える施設が必要とされてきました。同公園は東日本大震災時には避難所や自衛隊の宿営地として機 能するなど、防災活動拠点として重要な役割を果たしてきました。また市の中央に位置し、国道6号、同49 号に近接していることから、交通の利便性が高く、速やかに大量の物資を市内各所に分配できるなど、初期 対応の強化が期待できます。(図7-3)

 【施設の概要】

 ◯ 構造=鉄骨・平屋造り

 ◯ 延べ床面積=約50m×60m(3,000㎡)  ◯ 床面=人工芝張り

 同施設の有効利用を図るため、平常時には、 ゲートボールやフットサルなどができる多目的 屋内運動場として活用する予定です。

④ 今後の市地域防災計画(原子力災害対策編)と避難計画

 市地域防災計画(原子力災害対策編)は、平成25(2013)年度中に国の原子力災害対策指針の改訂を見込んで、 改めて策定することとしておりましたが、平成26(2014)年2月の時点においても、福島第一原発の取扱いの 基準などが依然検討中であるなど、改訂作業が進まない状況にありました。

 しかし、第一原発の万一の事故等には常に備える必要があることから、市地域防災計画(原子力災害対策 編)については、市独自に第一原発を計画の対象に追加し、また東日本大震災や福島第一原発事故の教訓を 踏まえ、地震・津波などの大規模自然災害と原子力災害との複合災害時の対応を明記するなどのほか、大規 模な災害を想定した市外避難、いわゆる「広域避難計画」にかかる基本的な方針等を定め、平成26年3月に 市地域防災計画(原子力災害対策編)を改訂しました。

 なお、このうち「広域避難計画」は、現在計画を策定することとなっている県から、案は提示されており ますが、なお検討が必要であることから、引き続き県との協議・調整を行い、策定する予定となっております。

■図7-3 災害時には、救援物資の集積・分配機  能を担う拠点施設へ

参照

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